病を生き抜く人の美しさ
今日は、元々のクライアントさんが作品を出されている展覧会に行ってきました。
毎年案内のハガキをくださり、毎回楽しみに行かせていただいています。
わたしは元々は医療機関で働いていた関係で、様々な生きづらさや精神症状をかかえている方と多く接してきました。
そこで途中から気がついたのは、そのような人たちがしばしば持っている、人並み外れた高い芸術性。
繊細で豊かな感受性を持つからこその、オリジナリティ溢れる世界観と、ほとばしるクリエイティビティ。
病という、一見、暗みに見えている中から、それはそこでしか輝くことのない光のように感じられていました。
その光に、思えばずっとわたしは惹きつけられていた。
病気とは何か。
健康とは何か。
回復とは何か。
これまでたくさん考えてきたと思う。
ある時までは、病気は克服すべきものと考えていたこともある。
でも今は、そうは思わない。
病気は治るべきもの、障害は克服されるべきものと、あまり思っていない。
生きづらさがあればそれがあるからこその、病を持つなら病とともに生き抜いてこその、そこにしかない美しさが確かにあると思うから。
こう感じているのがわたしだけではないことがわかるのは、時々医療従事者が書いた書籍を読んでいる中で、病を生き抜く人に魅了され、それに人生を捧げるかのように仕事をしている人に出会うとき。
そこでは、病を生きる人はもはや、助けられるべき人として存在してはいない。
誰かを強く惹きつけて魅了し、その人が人生をかけるほどの存在感を放っている。
病を生きる人たちによって、そこに関わる人たちの人生が明るく輝いていくことさえある。
だからわたしは、病気を避けるべきものとだけ考えるよりも、そんな風に、その現象の神秘や美しさの側面も、いつも見ていたいなと思う。
そこに、人を惹きつける美しさがあるということは、その奥にはきっと、生命の本質に触れるものが秘められているのだろうから。
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