ぶった斬りのさちえちゃん

今日は、わたしがカウンセラーの卵だった頃の失敗談を告白します。
心理の師匠からトレーニングを受けはじめて数年が経ち、ある程度腕が上がってきた頃のこと。
その時代のわたしは、学術団体の中でカウンセリング技術指導のトレーナーを任され、各地に出張していました。
カウンセリングの腕が上がってくると、ある時点から急に、人の心の動きの導線のようなものがスーッと見えるような感覚が出てきました。
そこにたどり着くまで、師匠からのトレーニングで四苦八苦していた私は、急に視界がひらけたのが嬉しくて面白くて、練習中の相手に向かって
“今あなたはこんな風に思っているはず”
とか
“そう考えるならあなたは〇〇の状態のはず”
と、その人の心模様について言い当てるようなことをコメントし始めました。
そしてそれが当たっていることも多かったのです。
ですが、言い当てられた方はどうでしょう。
カウンセリングの中でとても大切なのは、その人本人が、気づいたことや、自分の中にあることを自分の言葉で話すことです。
ですから、こちらが先に言ってしまうと、相手の方の気づきの機会を奪ってしまうことになる。
しかも相手の方によっては、バッサリ斬られたような感覚になったのだそうです。
そんな、相手のことを言い当てはじめた私を、心理の師匠は「ぶった斬りのさちえちゃん」と、面白がって揶揄していました。
求められてもいないのに相手を斬るようなことを言ってしまうのは、カウンセラーとして未熟な証拠。
ですが、幸いだったのは、心理の師匠がそんな未熟なわたしをも、ほほえましく見守ってくれていたことでした。
わたしがこの経験を経ることで身に染みて学んだのは、人の成長する機会を奪わないということ。
そして、自分がどう見ているかを脇に置いておいて、どうやったら相手の気づきや成長に寄与できるかに徹することです。
◆Sachie’s Selection◆
先日ご紹介したバッハの無伴奏チェロ組曲の中の1曲、第4番変ホ長調“プレリュード”。
リズムに安定感があって、チェロならではの低音で響くメロディーがとても優しく、聴いていて安らかに落ち着いていきます。
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◆5/24神社と神様のお話会◆

◆6/21こころの研修会◆

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日という日を、楽しんで味わって過ごしましょうね。
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