不安にとどまる
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ストレスを感じた時にどんな反応をするかは、その人それぞれにパターンがあり、カウンセリングの中では、その人においてのストレス対処の仕方を一緒にみていくこともあります。
なぜかというと、ストレスへの対処の仕方がより自分を苦しめるような、不適切なものになっていることも少なくないからです。
例えば、一般的に、すぐに行動に移せることは、よいことだと思われると思います。
確かに、行動することへのハードルが低いことは素晴らしいことであり、その人の強みとなり得ます。
しかし一方で、行動へのハードルが低い場合、ストレスへに遭遇した時に行動で反応することも多くなる傾向にあります。
たとえば、不安や恐怖を感じた時にそれらの感情を何かの行動をすることで紛らわせようとしたり、困惑した時に短絡的な行動に出てしまうこともあります。
たとえば卑近な例でいうと、鬱憤がたまると衝動的に食べたり飲んだり、買い物をしたり、その他の感覚的な刺激により紛らわそうとしたり。
不安を感じるごとに、何かをしなければと、焦りから何かに投資をしたり仕事や活動に没頭したり。
一見精力的に見えたり、いきいきした人に見えたりするのですが、行動をどんどんするその心理の裏に、実は不安や孤独感を感じて、そこに留まることが苦手で行動をとることで、それを紛らわせてしまっていることもよくあります。
そんな時は、やめようと思ってもやめられない、止まろうと思っても止まれない、立ち止まることが怖い、、、心のどこかでそんな感覚を持つことが多いです。
そのような場合は、“行動しないこと”が当面のテーマになることもあります。
つまり、不安や焦りや恐怖を感じた時に、すぐに動こうとしたりどうにかしようとしたりするといった、いてもたってもいられない心の状態を客観視し、そこに留まる練習をしていくのです。
それまで、そんな時にすぐに行動していた人にとって、不安なままそこに留まることは、結構な勇気がいります。
ですがそんな風にして、不安になったときの反応を変化させていくことで、だんだんと、ストレスの対する疲弊しない反応の仕方へパターンを変化させていくこともできるのです。
例えば、水路も、古い水路に水が流れていた状態から、古い水路を閉じ、新たな水路を作って、そこに水が流れるように仕向けると、新たな水路に水が流れていくようになります。
それと同じように、習慣となっている苦しい反応の仕方も、自分にやさしい反応の仕方へ変化させていくことができます。
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