巨人の肩に乗る
今日は朝からゆっくり山の中に入って、充電してきました。
さて今日は、日本におけるアドラー心理学の第一人者と言われている、故・野田俊作先生について書いてみたいと思います。
アドラー心理学は、今や日本でもっとも活用されている心理学体系のひとつだといっていいでしょう。
わたし自身も、アドラー心理学の心の理解の仕方やアプローチは、人が生活する上で直面する実際的な問題に、とてもきめ細やかに対処することができる、ユニークかつ非常に優れたものだと思っています。
ですが、アドラー心理学がいかにすばらしいものであったとしても、それがここまで日本人の感性にフィットし、根付くように広まった背景には、そのために尽力した人たちがいたからこそだと思うのです。
そして、その点において、野田先生の功績には計り知れないものがあるなぁと。
精神科医だった野田先生は、アドラーの孫弟子のアメリカ人の精神科医、シャルマンから教えを受け、そこからアドラー心理学が日本人の感性にフィットするように、アドラー心理学用語を翻訳され、日本の風土に根付かせていく活動をしてこられました。
わたしの心理的アプローチのよって立つベースの理論もアドラー心理学ですが、まだ大学院生だった頃、心理の師匠から
「野田先生の講座は、それはもう絶品やから、受けるといいですよ!」
と言われて、アドラー心理学の基礎は、生前の野田先生から直接学ばせていただきました。
師匠の言葉どおり、野田先生の講座は素晴らしく、始まるとみるみる引き込まれ、夢中になっていったものです。
とにかく博学で、心理学のみならず、歴史や世界情勢、そして宗教的な感性も持たれ、言語は数か国語を自在にあやつり、しかも、音楽の素養もおありで、コーラスの指揮者もなさっていたという、まぁ一言で言って、天才でした。
野田先生の講座には、いつもたくさんの人が集まっていました。
それも、野田先生の類まれなる才覚に魅せられた、インテリの人たちが多かった。
わたしはその光景を見ながら、こんなに頭のいい人たちを一手に惹きつけて放さない人っているんだ、と、静かな感動を覚えたものです。
わたしは、野田先生との接触は、そんなに多くはないのですが、未だに時折すごい先生だったなぁと思い出します。
そして、今こんな風にアドラー心理学の恩恵を受け取っていられるのも、そのような先生がいてくださったからだなと。
“巨人の肩に乗る”、という言葉がありますが、まさに、そうさせてもらっていることのありがたさを感じます。
野田先生の生前のご様子、もし見てみたい方、YouTubeの動画をこちらに貼っていますので、よかったら見てみてください。
アドラー心理学の理論の説明の仕方が原理的で精緻で、それはもう素晴らしく、わたしも時折見返します。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も楽しんで過ごしましょうね。
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